年金基金はそれよりも以前に、ポートフォリオ理論がすでに意思決定過程の一部として確立されている株式や債券市場で実績を上げてきたわけですが、当時の不動産投資市場には、このポートフォリオ理論に類するような考え方が、十分に浸透していなかったのです。
したがって、当時のデベロッパーや不動産コンサルタントは、こうした不動産のポートフォリオを重視する年金基金の考え方に、まったくついていけませんでした。
ただ、それでも大規模な資金量を誇る年金基金の影響力は大きく、伝統的な不動産プレーヤーたちも年金基金が求めるポートフォリオ理論に合わせざるをえなかったのです。
こうして不動産投資の世界にも、株や債券投資では当たり前だったポートフォリオ理論が導入されたのです。
当時としてはもっとも洗練されたプレーヤーである年金基金が、不動産に参入してこなければ、不動産投資理論は現在ほど発展することはなかったでしょう。